盛りの不良共は天然女子を落とすのに必死なんです 1

search ページ1

これはまだ、俺達(おれら)が小学生だったあの日
─────────────────
万「なぁ、ケンチン〜」




俺の背中にもたれながらゲームに没頭する
佐野万次郎こと『マイキー』が口を開く




健「ん」




万「あのさ、"ウルちゃん"って知ってる？」




堅「…………は？」




なんだよ、ウルちゃんって。
なんかのゲームのマスコットキャラクターかよ

それともあのうる○やつらのラムとかと間違えてんのか。




万「俺さ、会ってみたいんだよね」




俺の首に巻きついてくるマイキーは見なくてもわかる

キラキラした目で俺を見てること




堅「………探すか」




万「やった！」




堅「いや、待てマイキー

そのウルちゃんとやらの容姿とか分かってんのか」




万「そんなの適当に聞いて回ればよくね？

じゃっ、早速探しに行こーぜ、ケンチン！！」




相変わらずだな、本当




俺とマイキーは手がかりも情報も０のまま、ただ"ウルちゃん"という名前だけで探す事になった




✱ ✱ ✱




「ウルさんならあのカフェに……」




マイキーと同小の奴が指をさしたその先は普通のそこら辺にありそうなカフェ




万「おっ、案外すぐ見つかった！

さんきゅー！！！」




って、いやいやいやいや、有り得ねぇって！
こんなすぐ見つかるもんなのかよ！？？！




てか、ウルちゃんって名前してっけど
年齢も何にも知んねぇぞ、そんな輩に小学生の俺らが絡みに行っていいもんなのか

よし、一旦マイキーを…………




堅「マイキー、やっぱりそのウルちゃんについて調べてからに……………」




((ｶﾗﾝｶﾗﾝｶﾗﾝ




堅「マイキー！！！？！！？」




怖い素振りも全く見せず、ましてや鼻歌交じりで店に入っていくマイキー




万「おーい、ケンチン遅せぇよ」




堅「ったく、」




俺はマイキーの後ろを追うようにして
付いてった



なんだよ、何ヒヨってんだよ、俺
四小の龍宮寺堅だろうが。

いいぜ、"ウルちゃん"
どっからでも掛かってこいよ！！！！！

encounter→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す