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アロハ ページ12

「アロハじゃね?」
「え?」
遠くからでも見える、ピンクと水色。
ムギはすかさず声を出した。
「アロハー!先来てたのー!?」
返事はない。
肌寒い風が吹く。
彼は寝ているのだろうか、2人には気付きそうもない。
ムギは何かを思ったか、パラソルのある方に走り出した。
「ちょっ!ムギちゃん…」
オクタグラスも慌てて追いかける。
ついに、違和感の正体を突き止めた。
「なんかアロハさ、だらーんってしてない?」
「マジじゃん…どんな寝相してんの?」
不思議に思いながら近づく2人。
その時…
「うわぁっ!?」
ダイバーの大きな叫び声が聞こえてきた。
「何!?ダイバーどうしたのー!」
すかさずオクタグラスが声をかける。
ダイバーは先程2人がいたプールを指差して座り込んでいた。
オクタグラスには、ダイバーが驚く理由が分かっていたので、
「そこにあるのダイバーのフクでしょー!」
と、叫んだ。
しかし、首を振るダイバーを見て不審に思い、駆け寄った。
「ダイバー、マジでどうしたの?」
「俺のフクだと思ってさ…底にあるやつを取ろうとしたんだよ。そ、そしたら…」
オクタグラスもそれに気づいて青ざめる。
「ピンク色のゲソが…めっちゃ沈んでんの…」
それと同時に、ムギの悲鳴が聞こえてきた。
「嫌ぁぁぁぁあ!」
オクタグラスは、青ざめながらムギの方にまた走り出した。
冷や汗が、止まらなかった。
一歩、二歩と近づくごとに足取りがふらつく。
そして、腰を抜かしたムギの隣でぐったりしているアロハの姿を捉えた。
「あ…アロ、ハ…?」
足の力がふわっと抜けてへたり込む。
そこにいたアロハは…
「何があった…!?」
後から来たダイバーが、パラソルを覗き見る。
ぐちゃぐちゃにされたゲソをはじめ、酷く腫れた顔に、アザだらけの体。
彼の知っているアロハは、そこにいなかった。

「ア…アロハ、お前…どうしたんだよ」
震えた声で話しかけるも、何も返ってこない。
「…オクタグラス、救急車…呼んでくれ」
「わ、分かった…」
ダイバーはアロハの元に駆け寄った。
胸にそっと手を置き、心臓の音を聞く。
手早く脈も測る。
どちらもあるが…
「なぁアロハ…お前の体さ、なんでこんな冷たいんだよ…返事、してくれって…」
パラソルでも防ぎ切れない日光を浴びておきながら、アロハの体は冷たく、顔は信じられないほど青白かった。
チームメイトは、彼が心配でならなかった…

傷→←あれ



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しゃぼん🫧 コロイカダイスキ - ニヤニヤ…。 (3月5日 18時) (レス) @page33 id: 4cc781ec23 (このIDを非表示/違反報告)
あすあま(プロフ) - mariaさん» ふふ…毎度何かと世話焼きな彼、素敵ですよね!亀ペースですが、彼らの行く末を気長にお待ちくだされば幸いです。 (8月5日 23時) (レス) id: 5f256feba8 (このIDを非表示/違反報告)
maria - マスクくんの反応が気になるのでマスクくんお願いします! (8月4日 18時) (レス) @page35 id: 4c43ea808a (このIDを非表示/違反報告)
あすあま(プロフ) - アーミー好きさん» こちらこそキャラの魅力を感じてもらえて嬉しい限りです!今後もぼちぼち頑張りますので、是非ともよろしくお願いします! (6月27日 19時) (レス) id: 5f256feba8 (このIDを非表示/違反報告)
アーミー好き - これとても好きです‼︎自分の好きなキャラだし自分の好きな展開というか...とにかく好きですありがとうございます‼︎ (6月27日 17時) (レス) @page35 id: 3264f1cacf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あすあま | 作成日時:2023年4月28日 4時

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