始まり ページ2
「もういい？始めて」
くいっと体を引かれ、ロープの長さの限界を知る。
始めるというのは…
その恨みを晴らす行為に違いない。
「き、君さぁ…俺に恨みがあるって言ったよね？でも本当に心当たりがなくて…」
言い切る前に、彼女は俺の頭に手を置いた。
そして間髪入れず、その手に強く力を込めた。
「や、やめ…っ」
近づく水面。
首の力だけで耐えようにも、このままだと本当に折れかねない。
それだけの力だった。
じりじりと下がる頭。
俺の顔はそのまま水に浸かる…
「…！…っ！」
サーフィンのために何度も練習したあの時、泳げないにしても、少しの間息を止めるくらいはできるようになった。
しかし、水の冷たさと事の大きさで、混乱した俺にはあまり意味をなさなかった。
それに、息を吸う暇がなければ、ダメなのだ。
「…ぅ…っ！」
吸いたい、早く空気を取り込みたい。そのためならなんだってするから…
彼女の言葉を思い出す。
「リスポーン地点なんてないから」
冗談、だよな？
俺、このまま溺れて死ぬの…？
と、思った矢先。
「ぷはっ…！？はぁはぁ…」
手の力を抜かれた。
俺は水から顔を出した。
「はっ、はぁ…はぁぁ…」
さっきよりも、キツかった。
心臓の音が頭に響く。
「は…お願いだからさぁ、理由だけでも教…」
「息吸わないと本当に死ぬよ？」
俺の言葉を遮って彼女が突きつけてきたのは、まだ終わらないという事実だった。
「はぅ…っ」
ぎゅっとまた押し込まれる。
先ほどよりも心なしか強く感じる力で、俺はまた…
「がっ…ぼ…っ…！？」
た、助けて…溺れたくない…
こんな暗くて寒いところで、死にたくない…
だって俺、まだ…
しかし、思っていたよりも早く手の力は抜けた。
「ぷはっ…はっはぁ…は…」
苦しい、辛い。
もう、やめてくれよ…
「あのー、まだ終わりじゃないんで。ちゃんと息吸ってもらわないと、死にますよ？」
「は、はぁ、はぁぁあ…っ」
呼吸で、手一杯だ。
「まあいいや、3、2、1で行くんで、準備して下さいよ」
こいつ…また…！
「3…」
俺は息を吸った。
彼女の言葉を鵜呑みにした。
愚かだった。
「ぶっ、ご…げほっ！？…」
思い切り水を吸い、頭が真っ白になった。
そして、頭の中は苦しみだけでいっぱいになった。
「ごぼっ…ぐぁ…あっ」
息も続かない。
マジで、死ぬ…
拘束さえ、解ければ…っ
身を捩る、捩る…
俺の抵抗は虚しい…
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しゃぼん🫧 ｺﾛｲｶﾀﾞｲｽｷ - ニヤニヤ…。 (3月5日 18時) (
レス) @page33 id: 4cc781ec23 (このIDを非表示/違反報告)
あすあま(プロフ) - mariaさん» ふふ…毎度何かと世話焼きな彼、素敵ですよね！亀ペースですが、彼らの行く末を気長にお待ちくだされば幸いです。 (8月5日 23時) (レス) id: 5f256feba8 (このIDを非表示/違反報告)
maria - マスクくんの反応が気になるのでマスクくんお願いします! (8月4日 18時) (レス) @page35 id: 4c43ea808a (このIDを非表示/違反報告)
あすあま(プロフ) - アーミー好きさん» こちらこそキャラの魅力を感じてもらえて嬉しい限りです！今後もぼちぼち頑張りますので、是非ともよろしくお願いします！ (6月27日 19時) (レス) id: 5f256feba8 (このIDを非表示/違反報告)
アーミー好き - これとても好きです‼︎自分の好きなキャラだし自分の好きな展開というか...とにかく好きですありがとうございます‼︎ (6月27日 17時) (レス) @page35 id: 3264f1cacf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすあま | 作成日時：2023年4月28日 4時
