ねぇ、どっち？【Y.Hikaru】 (ページ21)

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慧「A？Aは、悪いことしてない。

そりゃ、2人を無視したのは悪いことだね？」

それはわかるでしょ？って

小さい子に聞くように言った慧。

いつもなら、嫌なのに今の私には

そんな話し方が最適だった。

そして、私は慧の問いかけに頷いた。

『無視なんかして、、ごめんなさい……』

そう言った私の声は情けないほど

か細くて、弱々しかった。

それでも、慧は私の頭を撫でて

偉いねぇ～って言ってくれる。

それが、なんだか嬉しかった。

宏「っ、A……」

そんな、宏太の声が聞こえた。

その声は今までに聞いたことがないほど

弱い声だった。

「本当に、ごめんっ、だから…だから、」

そこまで言った宏太の手を

私は優しく握った。

『そんな、泣きそうな顔しないでよ……

大丈夫だから、ね？』

宏太が言いかけた言葉を遮ったのは

私が耐えきれなかったから。

なんて、身勝手すぎる理由だけ。

きっと、それだけのはず。

『宏太は、笑ってて？知ってるでしょ？

私が宏太の笑顔好きなこと』

そこまで言うと、泣きそうだった

顔が一気に明るくなる。

それでも、堪えきれず零れた

1粒の雫はなんだか凄く綺麗に思えた。

そんな、私と宏太の間に

大「光くんも、言うことあるでしょ」

なんて、大貴の光への

声がかかった。