Story74 ページ24
「許されるのかな……また一緒にいること」
宏「Aの人生は、Aが決めるんだよ?」
緩めた腕、俺はAを見つめるけど…
本人は未だに俺の胸に顔を埋めたままだ。
服が、濡れていってること気付いてた。
____辛かったよね、ごめんね…A
雄「Aが…後悔しない方を選びな?」
慧「そうそう。Aが選んだことに、俺たちは
口出ししたりしないから」
雄也と伊野尾の言葉に、Aは顔を上げた。
潤んだ瞳が、上目遣いで俺を見る。
宏「Aの答え…聞かせて?」
「…わた、し、は……っ」
また俯いたAに、みんなが息を呑む。
不安が、心を蝕んでいく。
「ま…、…い……に、い…いっ」
宏「え?A、?」
問いかけ聞き返した俺に、Aは再度顔を上げ
そのまま頬に涙を零して
「また…一緒に、いたいっ」
その瞬間。
俺の中の針が動き出した気がした。
あの日から行き場を失っていた彼女への想いが。
溢れそうなほど鮮やかに色付く。
宏「A……っ!」
また抱き締めた君に愛おしさが溢れた。
宏「A…おかえり」
「…うんっ、ただいま」
苦しさが、サイダーのように弾けて消えていく。
「「俺らからも、おかえり!」」
みんなの方を向いたAが、枯れることを
知らぬように涙をまた溢れさせて
「みんな、、ただいまっ」ニコッ
って、天使のように微笑んだ。
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作者名:瑠璃華 | 作成日時:2021年9月13日 5時