Story68 ページ18
あの後、例年通りのことをして
今は個室有のご飯屋さんに来ている。
「それでは、ごゆっくりどうぞ」
店員さんのそんな声に、「ありがとうございます」と
呟いてみんなの方を見直す。
裕翔たちと話してるAだけど、笑った顔が
なんだかぎこちなかった。
しばらく雑談して、みんなで笑っていると
突然_Aの雰囲気が一変する。
宏「A……どうした?暗い顔して…」
先陣を切って問いかけたのは俺だった。
顔を上げて俺を見つめた瞳は、また潤んでた。
「…あの、みんなに隠してたことが……
その、あって___」
そんな彼女の言葉に、俺どころかみんなが
息を呑んだ。
「まず、私は……みなさんに初めて会ったとき、
ひとつ、…嘘を、吐いてます_」
そんな一言に、俺は光と顔を見合せた。
そして2人の頭に「もしかして」が浮かぶ。
他のみんなは、何がなんだかわからないと言った
様子でAを見る。
光「それって、どんな……嘘?」
優しく問う光に、Aは目に涙を浮かべた。
そして深呼吸を置いて、彼女は
「あの日、みなさんのこと……
知らないって、初代面だって言ったんですけど……」
ほんとは、知ってました。
そう口にしたAに、やっぱり俺にも衝撃が走る。
それはみんなももちろんのことだった。
15人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠璃華 | 作成日時:2021年9月13日 5時