Story67 ページ17
慧「あ、薮来た」
宏「遅れてすまん(汗)」
光「いいよいいよ、遅れてねぇし笑」
待ち合わせ場所に着くと、もうほとんど揃っていて
なんなら、揃ってなかったのは俺だけで。
その中での会話が終わると、光はAを見た。
光「Aちゃんも、来たんだね」ニコッ
「はい…(苦笑) 迷惑だった、かな…?」
雄「いや、迷惑じゃないよ。大丈夫」
「そっか、ありがと」ニコッ
今度は、困ったと言うより悲しそうに笑うA。
どうして…そんな顔してるの?
涼「それじゃ、行こうか」
裕「だね、そろそろ電車も来るよ」
そんな二人の言葉に釣られるように、改札を通って
みんなで電車の同じ車両に当たり前の如く乗った。
駅を過ぎれば過ぎるほど、乗車してる人の数は減る。
仕方ない、あの人のそれは少し田舎の方にあるから。
2時間も電車に揺られて着いたのは、
海の見えるちょっとした丘。
緑の芝生の上に、ぽつんとひとつだけある
あの人の “ 墓 ” だった。
今年も、綺麗に咲いたピンクや白のさくら草。
宏「今年も来たよ………“ A ”、」
今年も、青空が綺麗だね。って
口にした俺は、なぜかいつも以上に胸が痛い。
横目に映るAは、俯いて居てなぜか
苦しそうな顔をする。
光「__A、約束を破ってばっかだよ今年の薮。
なんとか言ってやってよ笑」
宏「ごめんって笑」
ほんのりと、気まずい空気の流れる中で
俺らはいつも通りの会話を交わす。
ねぇ……A。
なんで、今にも泣きそうな顔してんの??
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作者名:瑠璃華 | 作成日時:2021年9月13日 5時