Story65 ページ15
「宏太! これ綺麗だよっ!」ニコッ
宏「ん?どれどれ?」
Aの誕生日が近いからと、買い物に来た。
ほんとは、そのことは口にしていない。
「ちょっと買い物に行こ?」とだけ伝えて連れ出した。
当日は…
連れ出してあげれないから。
「ほら!これこれ!」
宏「あ、ほんとだ。キレイだね」フニャ
Aが指さしたのは、イチゴとクローバーが入った
透明な玉のついたネックレスだった。
宏「A、これ欲しい?」
「ん?でも…ちょっと高いし、いいや」
そう言ったAが見つめた先には、そのネックレス
の値札があって、覗いてみると
【2,500円 (税込】
と、まぁまぁ高い金額が書かれていた。
宏「俺が買ってあげるよ」フニャ
「えぇっ!いいよ!そんなの…申し訳ないし…」
優しすぎて、謙虚で遠慮がちなA。
でもね、それじゃ俺引き下がれないよ。
宏「明日は、誕生日なんでしょ?
だから買わせて?明日はケーキ一緒に食べよ」フニャ
約束を取り次いだのは、
明日が来ても、そばにいて欲しい___
という、哀れな俺の欲だった。
「__うんっ、ありがとっ宏太」ニコッ
優しく笑ったAが、儚く見えた。
そして、なんだかまるで。
星のような、遥か遠い存在の人に見えてしまった
自分が居て胸が痛くなった。
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作者名:瑠璃華 | 作成日時:2021年9月13日 5時