繰り返す僕ら (ページ10)

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Story10 ページ10

宏「よーしっ！A、好きなの買いなね！」

「えぇー！それは申し訳なさすぎるよ！」

あれからしばらく。

宣言通り、買い物に来たんだけど…

Aが、めっちゃ遠慮してる。

宏「もう、Aがこれから使う服だよ？だから

人の金だとか、考えちゃダメ！」

わかった？、って問いかけると

「わ、わかっ、た…」

と、渋々了承してくれて。

そこからは、色んな店に入って服を買った。

Aは、ほんとあの人と瓜二つで。

服の好みから、なにまでほんとに同じだった。

なにより、黄緑色の入った服を買ってるところが

ほんとに同じなんだなって思わせる。

そして、俺を切なくさせる。

『私、黄緑好きなの！』

『黄緑って、なんだか宏太にぴったりだね』ﾆｺｯ

小学生の頃、あの人が俺に告げた言葉。

愛らしい笑顔で笑ったあの人を、今も覚えてる。

「宏太？ねぇ、どうしたの？」

気付いたら、ボーッとしてたらしい…

俺としたことが、、

宏「へ？あ、ごめん。好きなの買えた？」

「うんっ！宏太、ありがと」ﾆｺｯ

いいんだよ、なんて。

微笑みながら、無意識にAの頭を優しく

撫でていた俺の手。

そんな最中、

「あれ？薮？」

突然、聞き覚えのある声に後ろから呼ばれて

振り返ってみれば

宏「うっわぁ…まじか」

俺の心情が、ぐちゃぐちゃで複雑になる。

だって……今、会うなんて思わないじゃん。

あいつにさ。