Story23 ページ23
心が軽くなった朝。
「あっ、宏太おはよう!」
宏「おはよう、A」ニコッ
いつの間にか、Aが朝ごはんを作ってくれる
そんな朝に慣れている俺がいて。
いつの間にか、こんな朝が当たり前になってて。
「はいっ、朝ごはんどーぞ!」
宏「ふふ、ありがとなA」
もうきっと……
今更この子を手放すことなど、出来ないだろう。
「宏太〜、行ってきまーす!」
宏「おう、いってらしゃい。気を付けてな〜」
気付けばAは、登校時刻。
俺は、あと1時間ちょいくらい。
一度部屋に戻って、引き出しを開ける。
そして、懐かしいあのペンダントを手に取る。
宏「ねぇ…A?もう、泣かないようにするから。
力……貸してくんない?」
そんな言葉と一緒に、ペンダントが光る。
そして俺は、それをあの日のように首からかけた。
そして、服の内側にしまい込んで上から撫でる。
宏「ふぅ、よしっ。仕事行くか」
たったそれだけで、俺の心は満たされる。
俺と生前のAとの、唯一の繋がり。
それが俺に自信を持たせ、心を落ち着かせる。
玄関へ向かって、歩いて靴を履く。
「いってらしゃい」
宏「えっ?」
あの人の声が聞こえて、振り返ると誰もいない。
当たり前だ。
だって、今は俺しか家にいないわけで……
もう、俺は重症なのかもしれない。
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作者名:瑠璃華 | 作成日時:2021年7月17日 21時