Story16 ページ16
次の日。
朝起きて時計を見ると、a.m.5:00 と表記されていて
ちょっと早すぎかなぁ、なんて考えて。
ふと目に入る、時計の隣の写真立て。
あの頃のイツメンが並ぶその画面内には、もちろん
あの人も一緒に写ってるわけで。
宏「おはよう、A……ごめんね」
ふと零れた言葉は、独りの部屋の空気に溶ける。
もし、あのとき君の手を握れていて。
あのとき、君を止められていたのなら。
今君は、俺の隣で笑ってくれてたかな?
同い年の君はどんな夢を叶えていたんだろう。
どんな女性になっていたんだろう。
あのときを変えられていたのなら……
君の未来は、続いていただろうか。
宏「未来を、閉ざして……ごめんなっ」
俺の判断が遅かったせいで。
君の未来は、暗闇の中へ消えてしまった。
握りたかった、君のその小さな手を。
宏「………っ、」
ふいに伸ばした手は、写真立てに触れるか触れないか
のところで動きを止める。
だって、気付いちゃったから……
伸ばしても、手は君には届かず写真立てに触れるか
空を描いて終わるだけだということを。
宏「いつまで……繰り返すんだろう、俺」
毎朝、同じことの繰り返し。
毎朝後悔して、毎朝君を想って嘆く。
俺は、このループからは抜け出せない。
俺はきっと、繰り返し続けていくんだ。
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作者名:瑠璃華 | 作成日時:2021年7月17日 21時