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『ありがと、私もだよ』
あの日の君のことばが、今も胸に残ったまま。
気付けば12年目を迎えている俺。
一歩も前に進めず、針は止まったまま。
そんな俺は、休日である今日という日に。
特にすることも無いただのサラリーマンなため、
散歩感覚で街を歩いている。
そんな、普通の日のはずだった。
宏「___ッッ、ま…さか、」
少し、人通りの悪い橋の上で。
どこか見覚えのある女の人が河を眺めている。
気になって、近付いてくほどに
「グズッ……ヒクッ…」
って、少し泣くのを堪えてるようで堪えきれてない。
そんな声が聞こえてくる。
そして、近付いてくほどに鮮明になってくその子の
横顔に、見覚えのある理由が明確になる……
明確に、なってしまう。
宏「……A?」
俺の声に振り返る彼女は、俺を見つめて瞳を揺らす。
その理由が、俺には分からないけれど。
「あ、の……だ、だれ…ですか?」
そんな言葉に、胸がチクリと痛んだ。
姿も、もっと言えば声だって。
俺が愛してた君と、瓜二つで。同じで。
まるで、あの人に忘れられたような。
そんな感覚に襲われたから。
宏「あ、ごめんね…
つい、心配で…声、かけちゃって」
すぐに、バレてしまうような嘘を付いて
俺は、少しずつ彼女の方へ歩み寄って行った。
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作者名:瑠璃華 | 作成日時:2021年7月17日 21時