写真も想い出も綺麗ごと 〈2nd〉

story57 ページ12

侑李side


「すみません、お時間です………」


突然、扉が開いたかと思うとそこには

看護師さんが立っていてそう言った。


きっと、あまりにも面会時間が長かったんだろう。

タイミングを見計らって来てくれた。

でもそんな行動は、冷酷でしかない。



特に、宏太達にとっては＿＿＿＿



「すみません、お連れ致しますので

離れてください」

宏「や、やだ……っ。まだ、まだダメだよっ！

連れてかないで………引き裂かないで！」


俺とAを、そう言った宏太と

心苦しそうに、｢申し訳ございません｣とだけ

言ってまた連れてこうとする。


なのに、宏太の手がAの手を強く握って

離さなくて。

看護師さんは、悲しそうな顔をして困ってる。



みんな、看護師さんが困ってるのに気付いてる

はずだけど、だれも動けないの。

だって、Aと宏太を引き離す原因を僕らは

断ち切ってあげれなかったから。



でも、これ以上看護師さんを困らせるのは

良くないのは分かってる。

だから、だれもやらないなら僕が行くしか

ないんだよ………



侑「宏太っ、もう……ダメだよ…っ！」



心が痛いよ。

ほんとは、ずっとAの傍に居させて

あげたいんだよ。



僕は、宏太に近付いてAの手を強く握ってる

宏太の両手を包んで



侑「駄々こねちゃダメだよ………っ」



そう言ったとき、宏太の手に入る力が弱まった。

それを見計らって、僕はAの手から

宏太の手を取り外した。


それと同時に、看護師さんは

辛そうに悲しそうに頭を下げて、部屋から

出ていってしまった



もちろん、Aと一緒に＿＿＿

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