煉獄家の長女は家族が居ません。

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『槇寿郎様。少しだけでもお話は出来ませんでしょうか。』


お館様のところに行ってから１ヶ月。


槇寿郎「今更何の用だ出来損ない。」

『…もう一度、煉獄家の長女として名乗らせては頂けないでしょうか。』

槇寿郎「俺に娘など居ない!!!!
帰れ！もう二度とその顔を見せるな！」


ドカッ
ﾊﾟﾘﾝ


『……また来ます。』


お館様と話して気づいた。

私が一方的に離れていって、父上と稽古をしていた頃の熱い心が無くなってしまっていたんだ。

諦めない。


悪いが父上が私の事を娘だと認めてくれるまで姉とは名乗れない。


すまないな。杏寿郎、千寿郎。



しのぶ「どうしたのですか！」


『何が？』

しのぶ「顔が血だらけですよ！
急いで蝶屋敷に！」


あぁ。この生暖かい感覚は涙ではなく、血だったのか。


『……杏寿郎には内緒にしておいて欲しい。』


――今日何年かぶりに煉獄家に戻った事。

父上に認められたら胸を張って杏寿郎や千寿郎の姉だと言いたいという事。

思い切って父上に今まで感じてきたことを話したら酒瓶を投げつけられた事。


しのぶ「そうだったのですね。…変わりましたね。
煉獄さんの姉というのも納得出来ますよ。

傷が深いので、少々跡が残ってしまいます。」


『気にする事はない。
怪我など気にしていたら鬼殺など出来ないからな！

では失礼する。』



胡蝶は変わったと言ったが、戻っただけなんだ。

これが本来の私。

ありがとうございます。お館様。

貴方様には感謝してもしきれません。




小麦「明日ハ風柱トノ合同任務！
鬼ノ数ガ多クテ隊士ガ何人モ倒サレテイル！」


『そうか。』

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