煉獄家の長女は家族が居ません。

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『先に言っておきますが、
厠の奥の部屋は入らないでください。
入ったのなら私は自害します。』


天元「お、おう。」


あの部屋には沢山の文がある。
全て自分で書いたもの。

出ていってから二年が経った時、父上に手紙を書いた。


「一度帰ってもいいでしょうか。」

と一言。
何度も手紙を送ったけど帰ってくるのは自分の文。


それが沢山ある部屋なのだ。






天元「なぁお前ら酒飲まねぇのかよ。」

しのぶ「私は未成年なので。」

蜜璃「私も！」


杏寿郎「では成人した者達で飲もうじゃないか！」

義勇「あぁ。」

小芭内「今回だけだ。」

『いいですね。』









『酔ってきたな。』

天元「俺様はまだまだいけるぜ！」

酔ってんじゃん。


小芭内「甘露寺は愛いのだ分かるか？」

絡み酒……。


義勇「……」

潰れた……。


縁側にでも出よう。


ｽｰｯ

杏寿郎「姉上。」

『居たのですね。』

杏寿郎「……戻ってきませんか？」

『戻りません。』

杏寿郎「姉上は優しく熱い人です。粘り強かった。
そんな姉上は何処に行ったのですか？

本当は戻ってきたいのではないですか？」


『……』
義勇「Aこの文はなんだ。落ちていたぞ。」

杏寿郎「？！」

『……もうやめてくれ。』


しのぶ「どうしましたか？」

『もういい加減にしろ。』

杏寿郎「姉上？」


ﾌﾟﾂﾝ

『いい加減にしないか！
そうだなその通りだ杏寿郎。
何度も何度も父上に文を送った!!

だが帰ってくるのはいつも自分の文だった!!!!

よく覚えておけ!!!!
私はお前の姉なんかじゃない!!!!

悪いが柱も辞めさせて頂く!!
金輪際合わないであろう。』


天元「おい、柱は辞める必要無いんじゃないか？」

『……。』


もうどうでもいい。

我慢の糸が切れた。

もう知らない。


『小麦お館様にこの文を。』

小麦「分カッタ」


蜜璃「Aちゃん!!!!」

天元「おい！」


もう辛いんだ……。

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