25 聞かれた ページ26
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''非術師は嫌いか''
この問いに私は分からないと答えた。
自分の中の非術師の像が揺らいでいること、
弱者故の尊さ醜さの分別と受容ができなくなっていること、
非術師を見下す自分、それを否定する自分……
何が本音か分からない、そう言った。
ピッ
ゴトッ
突然になったその音に、語りに夢中になっている私は我に返った。
『…A。』
Aが自販機で水を買っていた。
今話していたことを聞かれていたのかと思うと何故だか焦った。
彼女はどこから話を聞いていなのだろうか。
九十九「あれ、もしかして八神ちゃんかな?」
八神「…なんですか。」
九十九「いや、別に。」
感じ悪〜っと言う九十九術師。
ふとAと目が合った。
八神「…夏油、別にお前の人生だから何をしようが自由だ。
ただ、その思考された可能性のどちらを本音にするかより、
今自分が感じた焦りと後ろめたさがなんなのか考える方が賢明だ。」
こんな話をしているところに居合わせて、
驚くことも無く、
怒ることも無く、
ただ冷静に、
いつも通りに私を真っ直ぐ見つめてそう言ったのだ。
でもいつもと変わらない彼女の瞳からは
''これは忠告だ''
とでも言われている様な威圧感があった。
もしかしたら初めから聞いていて、耐えきれなくなったから入ってきたのだろうか。
いや、Aに限ってそんなことは無いだろう。
ただ、任務帰りに喉が渇いたから自販機で飲み物を買った。
そしたらたまたま居合わせた、それだけだろう。
その後九十九術師を外まで送ったけれど、
Aの表情と言葉が心の奥を刺激していた。
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ゆっこ(プロフ) - 更新楽しみにしています。 (2月27日 18時) (レス) @page39 id: 2eecfc8ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:腐腐腐( *´?`*) | 作成日時:2023年8月14日 12時