会いに行くよ【プロ野球】 (ページ17)

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泣き虫ページ17

若月「もう落ち着いたか？」

福田「お前目ぇ真っ赤やん笑」

中川「あんま見らんでください」

『けーにぃいっぱいないてバブちゃんみたい』

中川「それはお前やろ」

この状況誰がどう見てもお前が赤ちゃんだとけーにぃが笑った

歩いて車椅子のところまで戻るとは言ったものの

「だめ、連れて行く」

の一点張りで一蹴された挙句横抱きで抱え上げられた

『重いでしょ、車椅子まで歩けるし杖も持ってきてるからさ』

中川「無理」

『無理て、、、』

中川「いや、無理」

宗「こんな感じなの初めて見た」

ﾗｵ「…大型犬すぎる」

ラオウさん、こんな大型犬嫌です

ｽﾀｯﾌ「この後は軽い取材になります。ゆっくり時間を取るので中川さんが見学の案内をしてあげてください」

『え？良いんですか？けーにぃ、練習は？』

中川「今ちょうど休憩だし、時間くれるならうん…ありがとうございます」

若月「俺らは？」

ｽﾀｯﾌ「いつも通り休憩後昼ごはんからの練習です」

若月「はーい」

そんな感じで始まった見学会

やっと車椅子に乗せてくれたけーにぃが車椅子を押し巡るドームツアー

ロッカールームでは選手の皆さんに挨拶をもう一度して、ドーム内にある軽食屋さんで、アイスを食べ、ホームベースからぐるっとグランドを一周し最後にブルペンの見学

2人で話せるこの状況が私にとって奇跡的で感動的、そう考えるとあ、また、涙が…

『けーにぃ』

「ん？」

見学会が終わり一塁側スタンドで2人並んで座ってから少し静かな空気感の中名前を呼んだ

『自分を責めないでね』

「…」

私が1番心配していることだ

『私はけーにぃが大事。あの時、体が勝手に動いちゃっただけ無傷でいられたことを悔やまないでほしい』

けーにぃは素直に私のお願いに頷かない
頷く代わりに親指と人差し指で眉間をつまみ声を震わせ

「…難しいわ」

とたった一言

『救急車を呼んで、私が意識飛ばすまでそばにいて適切な処置をしてくれたのも、泣きそうな顔になってたあの必死な顔も忘れるわけない

それみて嫌いになるとか恨むとかするわけ無いやん？』

中川「…ｯ本当に、お前には…敵わんなぁ、ほんと」

今日のけーにぃは泣き虫だ

『私は後悔なんかひとつもしてない。入院中けーにぃの野球してる姿見れたのが何より幸せだったの』

中川「ありがとう…本当に」

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