2-24 ページ25
「さーて。お前たち。訓練内容を厳しくするか」
私が集合地点に戻るとお祭り騒ぎがピタリと止んだ。皆不満と顔に書いてある顔だ。
監督が疲弊して正しい姿勢をしている感覚も無いまま突っ立っている私の肩に手を置く。
「だが、カメラで見ていた所、防衛としての訓練だが…攻撃に対する素質もあるな」
そんな話をしているが嬉しくも疲れ果ててしまって笑い方がぎこちない。
そこで初めて私は服装が乱れてあちこち出血しているのを確認する。
気にしてなかった分、じくじくと痛み出す。
怪我をする要素など訓練で何も無かったのに。
そう思ってるだけで、訓練後。私の動きを監視カメラで撮った映像を見たところ、バッチリ壊れた物の上で匍匐したり、撃ち合った時に物陰に隠れる際、木造のささくれに思い切り肩や足をぶつけていた。
凄いね、よくやった！、もう実戦行けるんじゃね？
などと沢山褒め言葉を頂いて、あまりの勢いにネガティブな事も口に出ず、良い雰囲気のまま解散した。
怪我のことをゾフィアがドクに話したのか、通路ですれ違った時に自然な動作で左手を捕まれ治療室に連れていかれた。
「…凄いね、君は。休憩中に少し覗かせて貰ったけど私はあんな動き出来ないね」
A「ありがとうございます…」
「ただ、無理をするのは頂けないね」
A「…ごめんなさい」
宜しい。と声が降ってきて私をベットに座るよう指示をされ、白いシーツが敷いてあるベットに座る。
箱を持って戻って来たドクに擦り切れた傷口を綺麗に消毒され、真っ白な布製の絆創膏を貼らた、が。太ももの手当の仕方を悩んでいるようだった。
A「脱ぎますか…？」
ドクがその言葉を聞き、少し慌てたように見える。少しの間悩んだ後「お願いしようかな」と困惑した顔のまま言った。
ベルトを外し、ズボンを脱ぐ直前に腰周りに大きめのタオルを掛けられた。
少しずらして、傷の手当をし、包帯を巻いてくれた。
手当が全て終わると白い手袋をした手で頬を撫でられる。しゃがんでいるドクと必然的に目線が合う。
どうしたものかと見詰めていたら抱き締められた
「まだ無理をしそうな顔をしているよ。怪我をするなとは言わないから。身体を大切にね」
ドクはアーマーを沢山着込んでいるのに暖かみを感じて不思議と安心した。
少しした後、ドクから紙コップに注がれたコーヒーを頂き部屋を後にした
オペレーター達の所属ロゴがプリントされているオシャレなカップだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：憐 | 作成日時：2020年3月21日 23時
