私は人質のようです (ページ19)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:5,949 hit

17(オペレーター目線) ページ19

毒ガスを巻かれるのは想定外だったのかレインボー部隊の出動は遅れを取った。
至急用意された防護服を着て最初の5名が出動した。
ヘリが降り立つ場所も既に黄色いガスで視界不良だ。
グラズはフリップサイトで降下地点の周りを確認した。中に引きこもったのだろうか人影は見当たらない。
そのまま5名はヘリから降り立った。
グラズはヘリから降りず上空からの2階の狙撃を任された。
フィンカ、ライオンが正面から、アッシュがIQと共に校庭に。ヒバナは屋上からラペリングでグラズの支援を受けながら2階に突入する。

「行くぞ、出てこいネズミ共。」

モーション感知ドローンが作動し端末に敵の位置情報が送られてくる。その合図で皆行動を開始した。

-------------------‐

彼らが細菌爆弾の1つを解除した後、レインボー部隊の待機所にひとつの車が突っ込んできた。
フェンスを突き破り、中で停止したため待機チームの銃口が車両に向けられる。
銃弾に当たり、フロントガラスにヒビが入っている。中から出てきたのは涙目の女性で、肩を撃たれて血まみれになっている。

「助けて…助けてください！私のお友達…がっ」

ドローンで索敵をしていたエコーがドクを見る。
分かっている。とばかりにドクは女性に近付いた。

「落ち着いて。まだあの大学に？」

「違うの！…うっ……職員駐車場から逃げる時にAさんが…撃たれて！」

Aと出た瞬間にドクの表情が一気に青ざめる。目元しか見えない状況でもエコーには分かった。
先に彼女の手当が必要だが、これくらいなら自分がやれなくもない。

「ドク。そいつの手当は俺がやるから早く行け。」

「援護も必要かい？」

状況が厳しい時に追加戦力として待機していたグリッドロックが
待ちきれなさそうに銃を弄んでいた。だったら頼もしい彼女にもお願いしておこう。