私は人質のようです (ページ17)

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まずは先に出口付近の安全を確かめないと。
資材の山になっている角に真耶を座らせ、出口の逆側の通路をそっと覗き込み辺りを伺う。
正面で警察と交戦しているのかこちらに人影は見当たらない。
後は出口を開け放ってそこから逃げれそうだ。

静かに出口を開け、真耶を迎えに行き、支えながらすぐそこの扉になるべく音を立てないように歩いた。
通路をもう一度確認し真耶と外に出た。
外に出れた。良かった。

A「真耶さん、とにかくここから離れないと」

うん、と頷いた真耶と一緒に先程停めてきた車に移動したが。
真耶を車に乗せ、自分が運転席側に回った時
大学の2階からキラリと光が見えてその後直ぐに銃声が響いた。
何も無いのに体当たりをされたような強い衝撃と太ももと右の脇腹に激痛が走った。

撃たれた。

あまりの痛みに声が出てこない。脇腹を抑えて溢れる血を止めようとする。
また銃声が響き、左の肩に命中した。
痛いどこの表現では済まされない、全身が麻痺して地面は小さな血溜まりを作り始めた。
呼吸が上手に出来ない。
死ぬの…？
そのまま激痛を抱え込んで気絶した。

お父さん。ごめんなさい。私、お父さんと同じことして死んじゃうの。

意識が切れる直前に私の車が動き、銃弾を受けながらどこかに走り去って行った。

真耶さんが…助かるなら。それで、いいや。