告白 ページ42
『え…、私を？』
治「おん」
ちょっと待ってくださいと言って後ろを向いた。
次から次へと突然過ぎて訳がわからない。
治「ほんま、Aちゃんは可愛ええ」
『…わっ！』
後ろから私を抱き締める宮さん。
さっきからドキドキが止まらない。
治「返事、聞かせてくれへんか？」
低くて優しい声で私の耳元でしゃべる宮さん。
…………ほんと、そう言うの狡いし心臓に悪いよ…。
『私…』
ゆっくりと振り返って上を向き宮さんと目を会わせた。
優しい笑顔の宮さんが目に入る。
『…私も宮さんが好きです。
ずっと、ずっと、あの日出会ったときから宮さんの事が好きです』
宮さんの肩に手を着いてグッと背伸びをし、宮さんにキスをする。
自分からやっといてだが、内心はバクバクだし超焦ってる。
けどそれ以上に嬉しい。
治「え、ちょ」
『顔真っ赤』
フフッと笑えば宮さんは手で顔を隠した。
治「ホンマそういうのあかん…」
『嫌だった？』
コテン、と首をかしげば宮さんは“そんなわけないやろ！”とすぐに否定した。
治「ただ、一個だけもの足りんなぁ」
『へ？何です＿＿＿』
言い終わる前に宮さんによってその口は塞がれる。
『んっ…！宮さ…！』
名前を呼ぼうとした瞬間、宮さんは待ってましたと言わんばかりにすぐに舌を入れてきた。
後頭部と腰を持たれ離れようにも離れられない。
『ふっ、ん……』
治「なんやもうバててしもーたんか」
やっと口を離してくれる宮さん。
誰のせいだと思ってるんだか……。
治「名前」
『え？』
治「俺のこと名前で呼んでくれへんの？」
ツムには侑って名前で呼ぶのに…と少し頬を膨らませて愚痴を言う宮さん。
そんな彼に私は思わず“ふっ”と笑ってしまった。
治「何が可笑しいんや」
『可愛いなぁって』
可愛くないと不貞腐れる彼の頭を撫でた。
『治さん』
そういって笑えば、おん、と言って笑う宮さん。
暗い公園、自動販売機と月の光に照らされながら私達はもう一度甘いキスを交わした。
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作者名：小豆 | 作成日時：2021年7月2日 20時
