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治「あかん、暗過ぎて何も見えへん」
走り着いたのは蛍光灯も少なく人通りも少ない道通り。
多分人通りが少ないのは時間が時間であるからやと思う。
スマホのライトを使おうと思ったけど不運の事に充電が切れてしもーて使い物にならんかった。
治「……どこに居るんやろ」
キョロキョロとしながら歩いていくと、少し小さめな公園。そして、そこには自動販売機の光に照らされた二つの影。
その影を見て、なんや公共の場でよーやるわと思い通りすぎようとしたけど、目に入ったのはブラックジャッカルのジャージ。
この辺でそんなジャージを着とるのはただ一人しか居らん。
治「……まさか」
しっかりと目を潜めて見るとブラックジャッカルのジャージに少し明るめの金髪に大きな背丈。
紛れもなくツムの姿やった。
それと同時に“Aちゃん、侑さんと帰るらしいですよ”と言っていたバイトの子の言葉。
治「じゃあ、今ツムと居るのって………」
その一つの影がツムだとわかった瞬間もうひとつの影の相手が誰なのか容易にわかった。
二人にバレんよう少し角度をずらして歩き、本人かどうか確かめた。
そして、それが後に後悔へと変わる。
治「……！！」
だって、その影は完璧にツムとAちゃんやったから。二人はハグだけやなく、キスまでしていた。
治「……あ」
“侑に盗られると思うよ”
数十分前に言われた角名の言葉が脳内に浮かび上がる。
治「………大正解や、角名」
俺はあまりの衝撃に動くこともできず、ただその二つの影を見つめることしかできへんかった。
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作者名：小豆 | 作成日時：2021年7月2日 20時
