デート ページ28
銀「ほんでな、侑が風邪引いてそれでもバレーがしたいっていうアイツに感心してたら北さんに怒られたんや」
『銀ちゃんも？』
銀「おん
“体調管理出来てへんことを褒めんなや”って」
『おお、正論』
銀「褒めたつもりや無いのにぃ！」
あははっと笑うと銀ちゃんも笑った。
『バレー部って面白いね』
銀「まぁ、個性が強いの一杯おったけどなぁ」
あ、あとな、と次の話をする銀ちゃんに私も目を輝かせながらうんうんと聞いた。
＊
『はぁ、面白かった』
銀「こんな話すのもう何年ぶりやって感じやな」
『そうだね』
そう言うと銀ちゃんは少し微笑んだあとちょっとこっち来てと言った。
『ん？なーに、銀ちゃん』
銀「ここ座って」
ポンポンと叩かれた場所は銀ちゃんの膝の上。
私は言われた通り銀ちゃんの膝の上に座った。
銀「綺麗になったな」
『ん…』
頬を撫でられピクンっと体が反応する。
銀ちゃんのその仕草は中学の時と変わらない。
そして決まってこの仕草をするときがある。
それは“キスしたい”という合図。
銀「ホンマべっぴんさんになったなぁ」
『あ…』
銀ちゃんにそっとキスされる。
柔らかくて優しいキスが降ってくる
『銀ちゃん、駄目や…』
銀「駄目やない」
再びキスをされゆっくりと床に押し倒される
何度も何度も銀ちゃんの優しいキスに頭が追い付いてかなくなる。
『ん…』
唇が離れると、コツンと銀ちゃんのおでこと私のおでこが合わさる。
銀「好きや、A」
『え？』
銀「もう一度やり直さへん？」
『銀ちゃん…』
銀「絶対幸せにする」
そういって再びキスをされそうな所を私は手のひらで彼の口元を押さえた。
『ごめん、銀ちゃん』
銀「やっぱり、好きなやつが居るんやな」
うん、と言うと銀ちゃんはそっか、と言い私を起こした。
銀「すまんかったな、無理やりキスしてしまって」
『大丈夫』
銀「Aが好きな人は治？」
『うん』
そっかぁ、と大きく伸びをする銀ちゃん。
銀「治には勝てへんわ」
幸せになるんやで、と言って銀ちゃんは家を出ていった
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作者名：小豆 | 作成日時：2021年7月2日 20時
