prologue ページ2
出会いは5月の中旬。
店を閉店する数分前に一人の女性が入店してきた。
治(若いなぁ、大学生やろーか…)
見たところ自分より年下かなと思いながら閉店準備を始めた
治「何にするん?」
彼女の顔を覗き込みながら注文を待つ。
『……えっと、』
じっとみれば彼女の顔色は悪く少しやつれていたように見えた。
治「……なぁ自分、顔色悪いけど大丈夫?」
『…大丈夫です、少し疲れていただけなので。』
治「……少し、ねぇ」
治(とても少しには見えへんけどなぁ…)
『あの、注文いいですか?』
治「おん、ええよ」
ポケットからペンと注文表を取り出し注文をとった。
『……えっと、明太子と、昆布と鮭と…』
よー、食うなぁと思いながら注文をとっていると突然彼女は膝から崩れ落ち、その場で倒れた。
治「ちょっ、大丈夫か?!」
焦ってカウンターから飛び出し彼女を起こす。
『…はぁ、はぁ』
熱い体、汗ばんだ額、息苦しそうな呼吸。
治「…熱や」
俺はすぐにバイトの子に閉店するよう呼び掛け彼女を壁に寄りかかせ自身の来ていた上着を彼女に着せた。
バイトの子「店長、あの人どーするんですか?」
治「どーもこーも、家も分からんからとりあえず今夜は俺の家に連れてくで。」
バイトの子「お持ち帰りですか?」
治「変な言い方すんなや!」
バイトの子「あだっ!!」
ニヤニヤするこいつをデコピンすると額を抑えて小さな声で唸り始めた。
治(とりあえず、帰って寝かさなアカンな、、)
そうして俺は店を閉店した後、彼女をおんぶして車に乗せ家へと向かった。
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作者名:小豆 | 作成日時:2021年7月2日 20時