13 ―侑side― ページ15
・侑side
「あぁー、疲れた」
体育館で一人自主練習する事一時間半。
既に八時半を向かえてて焦って片付けを始める。
「あー、モップがけやらんでもええかな」
時間もあれやし、モップがけなんかしとったら時間があらへん。
今日だけ、今日だけなら……
『モップがけせん阿呆がどこにおんねん』
「……は？」
声のした方を見るとそこには紛れもなくあいつの姿。
俺は唖然としてその場に立ち尽くす。
「…お前何しとんねん」
『何って何が？』
「部活来てへんくせにノコノコ顔出しよって。
自分なんしに来たん？
邪魔すんなら帰れや」
『で、モップがけは？』
「するっていうとるやろが
喧しい上にしつこいとかありえへんで」
『ふーん、やっぱり辞めて正解やったわ』
「は？」
辞める？
辞めるって、何を？
『あら？そんなすっとぼけような顔してどしたんですか、侑くん？』
「いや、お前がいきなり辞めるって言うから」
てか、逆に何でお前は平然としておんねん。
そんな簡単に、私退部しますって、阿呆ちゃうか？
『侑が言ったやん、辞めろって』
「やからって、ほんまに辞めるとか阿呆やろ？！」
俺は運んでいたボールかごを倉庫の中に入れ、
あいつの目の前まで走り駆け寄った。
『私の居ない部活はどうでした？
楽しかったですか？』
はっ、と笑うように俺を見上げるA。
俺はそんなこいつを見下すように見下ろした。
「皆変わりなかったで、今まで通りや。
それに今日の自主練も優雅に出来て最高やったわ」
『…あ、……そう』
いつもと違って下を向き弱々しく喋るA。
俺は何故かそんとき無意識に“こいつに勝った”と思った。
「まぁ、お前が居らんくたってこのチームは成り立つし、お前の代わりなんかいくらでもお＿＿＿」
言い終わる前に、パシッと言う音と一瞬頬に痛みが走った。
何が起きたかはすぐに理解できた。
打たれたんや、俺。
『何が高校No.1セッターや
人の気持ちも考えんポンコツやろうのくせに！』
「ああ？！なんやと？！」
俺の言葉も聞かずさようなら、と言って走って体育館を出ていくA。
その背中がいつもより小さく感じたんは多分気のせい。
ちゅーか打たれた筈の頬よりも、
胸のほうが一番痛いわ。
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ねむい…(プロフ) - 完結おめでとうございます！楽しく読ませていただきました！とても面白かったです！ (2021年9月20日 3時) (
レス) id: 786a373c50 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - WAO (@_@)私、ほんまにこの作品好きやわー。最後まで読ませていただき、有り難うございました！これからも作者さんのペースでおもろい作品書くの楽しみしとりますんで！頑張ってください！ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
小豆(プロフ) - 猫毬かなめさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！！トラブルの際も助けてもらって…！かなめさんにはホントに感謝してます！ありがとうございました！！ (2021年9月5日 21時) (レス) id: 3db6e37161 (このIDを非表示/違反報告)
猫毬かなめ(プロフ) - 凄い楽しく読ませて頂きました！途中トラブルなどありましたが更新続けて完結まで持ってきてくれてありがとうございます、改めて完結おめでとうございます！ (2021年9月5日 17時) (レス) id: 7e8e70364c (このIDを非表示/違反報告)
にゃー - すごくこの小説で楽しませてもらいました！完結おめでとうございます！ (2021年9月5日 11時) (レス) id: d04dfe50cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小豆 | 作成日時：2021年8月3日 19時
