38 ページ38
あ｢え？何してんの。｣
二宮｢それこっちのセリフだから。｣
あ｢そーだよ、そっちのセリフだよ。そっちが言え。｣
二宮｢くくっ。何してんのよ。｣
あ｢…あービツクリ。ほんと何してんだろ、この手は。失敬失敬。｣
二宮｢………。｣
私は引っ込めた手を、目の前でぐーぱーぐーぱー動かしてみる。
無意識って怖いね。
いやね？まさかさっきの声が幽霊だなんて思ってないのよ。
山の中なんだから動物の３つや４つや５つや６つや７つや８つや居るだろし。
ただ、ちょっと気味が悪かったのは確かで。
などと心の中で言い訳してみる。
そして目の前で握っていた手をゆっくり開いた…その瞬間。
ひょいとその手が繋がれて。
二宮先生はその繋いだ手をたぐり寄せるように、さっきよりも近くに座り直した。
二宮｢こーすりゃいいんでしょーが。｣
………へっ？
なにその、さり気ない優しさ風・距離の縮め方。
近づいた身体と身体が触れる。
手は繋がれたまま。
少しだけひんやりした二宮先生の手が、手汗をかきまくった私の手を握ってる。
ドキドキしてきた。
だって手汗が凄いんだもん！
…や、待て私。
ドキドキしてきたのはそこじゃない。
キュッと握られて感じる二宮先生の手の力と、
触れ合って感じる二宮先生の体温。
あ｢…や、あの、えーとだね、｣
二宮｢うん？なに。｣
あ｢あの、あーっとさ、これはつまり、｣
二宮｢なんか問題？｣
あ｢…ぇ？…ぃ、いや…、なにも…｣
二宮｢ん。｣
二宮先生の顔色が伺いたいのに、なかなか顔が上げられない。
思いのほか強めに問題か？と聞かれて、言い返せなかった。
俯いたままの私。風に揺れる木々の音だけがザァーっと全身を包む。
二宮先生…？
不思議なほど静かで。
ドクンドクンと響く鼓動を全身で感じる。
…待てよ、これ二宮先生にも聞こえてんのかな。
やだな。恥ずかしさ100倍だな。
例の一件以来、ただでさえ二宮先生に対して妙に緊張していたというのに。
二宮先生は、何を考えておられるのか？
ゆっくり顔を上げ、ちらりと顔色を伺ってみる…と、
横目でじーっと私を見てる二宮先生と目が合った。
………っ！
な、なに。
ナゼ見つめあってる私たち…/////。
暗闇に凝らした目が一直線、二宮先生の目に吸い込まれるように、視線が逸らせなかった。
そしてその時、
握られたままだった手がギュッとされて、
ん？っと、思った時には、
唇と唇が重なっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1914人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*-eni-*(プロフ) - みなもんしゃんが1000年待つなら私も待っとこう←え？順番待ち！？(笑)ロダン潤くん先生は早くーー私のお部屋に来て〜！ﾉﾉ｀∀´ﾙ{何処だよ！？)←怒られてもいいから(笑) (2017年10月13日 1時) (
レス) id: aaada8bfdf (このIDを非表示/違反報告)
みなもん(プロフ) - さなさん» さなちゃーん！！本当にだよぉ(･ω･* 三 *･ω･)距離が近すぎて、身動きも身震いも出来ないんだよぉう|･ω･`)でも出来ることならそんな状況に168分くらい身を置きたい、そんな毎日ですね。自律神経整いそう(*｀艸´)ｳｼｼｼ (2017年10月12日 22時) (レス) id: 5d50cdb262 (このIDを非表示/違反報告)
みなもん(プロフ) - keiさん» keiしゃーん(*｀艸´)ｳｼｼｼうっかり八兵衛に食いついてくれるところがやっぱり好きです(｡･ω･)ﾉﾞうふ。動揺しまくってる主人公ちゃんと、飄々二宮先生を、楽しく書いていきたいと思います|･ω･´)くふ。やだ、エロ目が治らない、現実の私…_(:3 」∠)_あはん (2017年10月12日 22時) (レス) id: 5d50cdb262 (このIDを非表示/違反報告)
みなもん(プロフ) - *-eni-*さん» eniしゃーん。カッコ可愛い二宮先生に続きしてもらえるなら、私もクローゼットで、1000年は待ちます(｀・ω・´)ｷﾘｯ。でもロダン先生のお部屋でお取り込むのもいいですよね+(0ﾟ・ω・) + wktk!! (2017年10月12日 22時) (レス) id: 5d50cdb262 (このIDを非表示/違反報告)
みなもん(プロフ) - ぐちこさん» ぐちこさんwぐちこさんが上手いこと言ってるー！！(爆)(*^^*)ありがとうございます！！自分の殻からも脱出してくれるといいなーと切に願ってみますよってに！！主人公ちゃんも殻やぶっちゃえー！と煽っておきます(｡･ω･)ﾉﾞ (2017年10月12日 22時) (レス) id: 5d50cdb262 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みなもん
| 作成日時：2017年5月12日 19時
