ほとぼり。3 (ページ7)

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喧嘩が絶えない私達のことを周りが見たら別れるべきだとみんな口を揃えて言うんだろう

アイドルと一般人という関係じゃなく、一般人同士だったとしても。

それでも別れない私達は確かに依存かもしれなかった

あの日の代表の言葉が頭の中で反芻する

「もういいよスンチョルなんて」

SC『またそうやって俺と向き合うことから逃げるのか』

「逃げてなんかない。決め付けないで」

SC『逃げてるよ。イタチごっこももう疲れたんだ

俺のことを、ちゃんと見て』

見てるよ。誰よりも見てきたよ

それに気付いてくれないなんて、ちゃんと見てないのはスンチョルじゃん

「私はずっとスンチョルだけを見てきたよ

でもスンチョルは違う

“アイドル”だから私だけを見るなんてしてくれない」

SC『…A』

スンチョルには、SEVENTEENには沢山のファンがいる

「見返りを求める私の厚かましさに失望したでしょ」

夢を追い求めてきたスンチョルなら、CARATの存在を何よりも大切にしてるはず

私もそれを知ってたから我儘なんて言えなかった

でも本当は、私だって彼女らしいこと沢山したかった

「ファンの存在はアイドルにとってすごい重要だもんね。

ねえスンチョル

スンチョルは私とファンだったらファンを取るでしょ」

“ファン”と”彼女”だと存在する次元が違うから比べるものじゃないのは分かってる

こんな質問すること自体お門違いだ

だけど

SC『…………………………選べないよ』

心のどこかで私を選んで欲しいという貪欲な思いがあったから。

目を背け続けた結果着実に募らせてきたその思いは今、急速に萎んでいった

「……………そう」

“選べない”の言葉の裏側を知ってる

分かりきってた

それはスンチョルの優しさで

それが、貴方なりの一番なんでしょ

「…………………私達、別れよう」