ほとぼり。3 (ページ6)

今日:13 hit、昨日:79 hit、合計:51,221 hit

104 ページ6

．

SC『ごめん、そんなつもりじゃな…』

「いいよねスンチョルは」

SC『…………………』

「自分には十二人も味方が居るんだから。私は味方なんて一人もいないのに」

SC『A。そんな言い方はやめてよ。俺はAの味方だよ』

「思ってもいないくせにそんなこと言わないで」

人の気持ちはすぐに変わるし、心なんて目に見えない

そんな不安定で不確かなものを心から信じるのが怖かった

裏切られたときのことばかりを考えてしまって。

信じれば信じた分だけ傷付くから

だから私はいつも不信感ばかり抱えて自分を守るために虚勢を張るようになった

相手を信じてないんじゃなくて、”変わらない”ということを信じていなかった

SC『何でそんなこと言うんだよ』

「うるさい。私のこと何も知らないくせに」

SC『Aが教えてくれないんだろ！

俺はずっと知りたいのにAはいつも”大丈夫”なんて言って肝心なこと何も教えてくれない』

聞いて欲しかった

私が”大丈夫”なんて言っても、”本当は？”って聞いて欲しかった

私の言う”大丈夫”を信じないで疑って欲しかった

「じゃあ私が全部悪いって言うの？」

SC『だからそうは言ってないって』

エゴも価値観も何もかも滑らせ、こうして私達は自分自身を傷つける

会わなくなったあの日からフラストレーションが加速し続けた結果、暴発してお互いの首を絞めた

「私のこと本当はどうでもいいくせに」

SC『いい加減にしてくれ

どうでもいいなら電話なんてそもそも掛けない

俺がどんな気持ちで電話を掛けたか、Aだって何も知らないだろ』

自分から突き放しといて、いざ相手に突き放されるような言葉を言われると辛くなる自分の身勝手さが滑稽だった