ほとぼり。3 (ページ4)

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一向に収まる気配がなく、むしろエスカレートしてるように思える嫌がらせは着実に私の心を蝕んでいった

外に出るのが億劫で、まず大学に行かなくなった

ユナからは私を気遣う連絡が毎日来た

次にご飯を食べなくなった

食べないというか、食べれないというのが正しい。食欲がなくて食べても吐いてしまう。

何に対しても気力が湧かなくなって精神的に困憊しきっていた

何故生きてるのか分からない

ずっと外に出てないから今玄関の外がどうなってるかも分からない

もう分かりたくもない。何も考えたくない。

ベッドに縫い付けられたように今日も一日を過ごす

SNSも相変わらずだ

@______
〈例の女の人、セブチのマネだったけど皆の私物盗んだりとかしてクビになったらしい〉

@______
〈皆を困らせるサセン女〉

一体どこからそんな話が出てきたんだと思ったが、おおよそ噂が噂を呼んだんだろう

SNSの投稿を見ているとスマホが着信画面に切り替わった

【체리】

画面に表示された文字をぼうっと見たあと、ワンテンポ遅れて「ああスンチョルか」と理解する

応答のボタンを押すと久しぶりにスンチョルの声が聞こえた

SC『もしもし？』

「…もしもし」

SC『………ごめんな電話掛けて

距離置こうって言われてたし本当はAから連絡くるで待とうと思ってたんだけど、どうしても心配で』

「……………そう」

スンチョルの声を聞けて嬉しいのに素直に喜べない自分がいる

電気も消してるしカーテンも閉めてるんだから誰にも見られてないはずなのに、誰かに見られてるような気がしてならない

この会話も聞かれてるんじゃないかと思って怖くなった

SC『……迷惑だったよな、ごめん』

「…そんなことないよ」

沈黙が流れる

再会したときのようなギクシャクとしたこの空気に悲しくなった

距離感が分からず恐る恐る手探りで間合いを詰めるような、顔色ばかり窺って本当に言いたいことが消えてしまうような、そんな空気