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夢を見た
SC「……………好きだよ」
スンチョルに告白されたときの夢
SC「初めて会ったときからAが好き
笑った顔も怒った顔も全部全部俺のものにしたくて仕方ないんだ
だから俺だけのAになって。俺と付き合って」
あの瞬間世界に二人だけになったような気がしてた、そんな懐かしい夢
「……私もスンチョルのことが好き
だから、私だけのスンチョルになって」
確かに幸せだった
でも幸せであればある程、怖くなった
この先どんな不幸が訪れるんだろうって不安で仕方なくて
嫌なこと全部から目を背けて幸せなことだけを見ていたかった
だけどそんなこと出来ないの分かってる
だから私は夢を見るんだ
懐かしくて、暖かくて、幸せな夢を
不幸に押し潰されないための自分を守る術
現実は不幸なことばかりだ
だからこそ幸せという概念が存在するのかもしれないけど、そんな綺麗事私はどうでもよかった
不幸の中から幸せを見出すその行為が惨めに思えたし、実際惨めだった
スンチョルに優しくキスをされて、私は目を瞑る
しばらくして顔が離れていく気配がしたけど私は目を開けることをせずそのまま俯いた
目を開けたら夢から醒めるのが、何となく分かったから
ずっとここに居たい
現実のスンチョルは私に対して完全に冷めきってしまった
この体温を、熱を、スンチョルから貰うことはもうない
この幸せな夢から、醒めたくない
SC「A？」
心配そうな声が聞こえる
SC「目開けてよ」
目が覚めたとき、貴方が隣に居ないことは分かってる
だからせめて夢の中だけでは、私達愛し合っていようよ
「どうか、さめないで」
その言葉が指すものは「夢」か「熱」か
あるいは「愛」か
続く (更新停止中)
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作者名：環。 | 作成日時：2023年12月9日 0時
