ほとぼり。3 (ページ20)

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JH「…一応聞くけど、クプスはこのこと知ってんの？」

「……ううん、知らない」

JH「はあ…………やっぱり」

気まずい空気が流れる

何て声を掛けようか頭を悩ませていると、ポン、と頭の上に手を置かれた

JH「……よく頑張ったな、怖かっただろ」

………………ああ

その言葉が、欲しかった。

だけど欲しかった言葉をくれる人が、スンチョル、貴方じゃないなんてね

JH「誰にも言えなくて辛かったな」

「……………………っ」

優しく頭を撫でられる

スンチョルとの電話のあと、本当は子供のようにわんわんと声を上げて泣き出したかった

だけどそれが出来なかったのは、私自身も理解が追いついてない所があったからだと思う

こんなにもあっさりと別れることになるなんて、思ってなかったから。

目頭が熱くなって鼻がツンとする

スンチョルの方が私と簡単に別れられるんじゃん

何で引き止めてくれなかったの、引き止めて欲しかった

矛盾ばかりの愚かな自分に反吐が出そう

私はスンチョルのことが好きなのに、スンチョルは私のことが好きじゃないというそのギャップが私を苦しめた

(スンチョルはずっと私を好きだと言ってたのに、それを信じなかったのは私じゃん)

どれだけ好きと言われても私の心が満たされないのは、私があの日から進めてないから。

だけどそれを認めたら頭が可笑しくなりそうだから必死に何でもないフリをした

なんとか隣に立とうと必死だったの。烏滸がましいでしょ

劣等感に苛まれて死にそうだ

貴方を嫌いになれたら、どれだけ楽だったか。