ほとぼり。3 (ページ16)

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JH「幸せになって欲しいんだ

お前が俺に振り返らないのは知ってる

だからせめてAが思い描く幸せの形を、俺は応援したい」

「………私は幸せになんてなったらダメだよ」

JH「そんなこと言うなって」

困ったように眉を下げて笑う仕草がスンチョルに似てる

JH「俺は好きな人の負担になりたいわけじゃない。それはお前だって同じだろ」

「……………………」

JH「好きっていう気持ちは悪いことじゃないけど、その好意は時として相手の負担になることがある。

だから忘れてって言ったんだけど、俺から掘り返しちゃったね」

もしも私がジョンハンを選んだなら、きっとみんなが言うような”幸せ”になれるんだろう

自分がボロボロになってまで、それでもスンチョルがいいと思う私はスンチョルに依存してるのは明白だった

“自分にはこの人しかいない”って思い込んで小さな世界に閉じ籠るのが間違ってるのは分かってる

間違いでも、スンチョルを好きになったこの気持ちだけは間違いにしたくなかった

JH「は〜あ、なんかしんみりしちゃったな。

失恋には酒！俺と失恋パーティーしに居酒屋でも行こう」

「え、私と飲むの？私が失恋相手なんじゃ…」

JH「なんだよ別にいいだろ。ほら早く立って！行くよ」

私の腕を掴んで急かすジョンハンに慌てて立ち上がる

なんかこの人ことあるごとにパーティーしてる気がするんだけど…

会計しにレジに行き、お金を払おうとすると後ろからトレーにお金を置かれる

「えっ」

JH「この近くにおすすめの居酒屋があるんだよ」

私の背中をぐいぐいと押しながらお店から出るジョンハン

「待って、ジョンハンこれ。さっきのお代」

JH「いらないよ」

「でも………………う〜ん、ごめんね」

JH「だ〜か〜ら〜〜！

こういう時はごめんねじゃなくてなんて言えって言った？」

ムスッとした顔を見せるジョンハンは本当に女の子に見えて、それが可愛くて笑った

「あはは、ありがとう」