ほとぼり。3 (ページ15)

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JH「……ごめん言いすぎた。コーヒー、早く飲まないと冷めるよ」

「……………実は飲めなくて」

JH「はあ？飲めないのに何で頼んだんだよ。

ほら、飲んでやるからこっちにちょうだい」

“ほら、飲んでやるからこっちにちょうだい”

「…………………っ、」

JH「わ、ちょ、何で泣くんだよ〜〜」

過去の情景ばかりが頭に思い浮かんで私の”今”を邪魔する

一つの幸せを手に入れたら二つの不幸が私を付き纏う

そうして幸せが怖くなって過去に縋るようになった

きっと私は立ち直ることなんか出来ないで、ずっと貴方の面影だけを追って生きていくんだろうな

私は前に進めない。貴方のいない未来の、一人の生き方が分からないから。

貴方の声で、温度で、優しさで、馬鹿な私に教えて欲しかった

だけど貴方の前では物分かりのいい女でいたくて。余裕なんかないのに余裕振るから空振ってこんな風になっちゃったけど。

自業自得で誰も恨むことなんて出来ない

JH「………どんだけ好きなんだよ」

「っごめん、泣いてばっかで」

JH「本当だよ。…あーあー、擦んなって。腫れるよ」

袖で目元をゴシゴシ拭いていると手首を掴まれる

私がジョンハンを見るとジョンハンも私のことを見ていて、何も喋らないから不思議な空気が流れた

しばらく無言で見つめあったあとジョンハンが口を開く

JH「………本音を言えばさ、クプスじゃなくて俺にしろって、正直思うよ。好きな子には笑ってて欲しいし俺なら絶対幸せに出来るのにって思う」

「………………」

JH「だけど幸せかどうかを決めるのは俺じゃなくてAだろ」

視線を下に落としたジョンハンは今何を思ってるのだろうか

そもそもこんな私のどこを好きになったんだろう。魅力なんて大層なもの私は一つも持ってない