ほとぼり。3 (ページ14)

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JH「………まったくもう」

私の方に手を伸ばしたかと思えば雑に目元を拭われる

もしもスンチョルだったら優しく私の頰に触れて目元を拭うから、その対応が少し新鮮だった

JH「なんで泣いてんの？」

「………………………スンチョルと別れたの」

JH「は？」

頬杖をついていたジョンハンは手から頰を離す

私の言った言葉の理解に時間が掛かっているのかしばらく固まったあとハッとして私に問い詰めた

JH「…いや…え？本当に？冗談でも笑えないんだけど」

「…………本当だよ」

JH「嘘だ。絶対嘘。

Aがまた勝手に別れたことにしただけなんじゃないの？」

「嘘でもないって」

JH「だって俺達言ったよね？別れんなよって」

だって仕方ないじゃない。これが最善なんだから。

口をつぐんだ私をジョンハンはジッと見つめる

JH「………なんで別れちゃったの」

「……………代表さんに言われたこともあって。なんかもう全部が嫌になったの」

JH「だからって投げやりになって別れんのかよ」

「投げやりなんかじゃない。いっぱい考えた。

私は貴方達の輝かしい未来が”私”という名の足枷で潰されて欲しくなかった」

そう言うとジョンハンは眉間に皺を寄せた

JH「…俺達のことを考えてくれんのは嬉しいよ

だけどクプス個人の気持ちを考えたことあんのかよ」

「…………………………」

JH「お前のそれは優しさじゃない」

ぎゅっと手を握りしめて下を向いた

だって何が正解で何が不正解なのか、どうすればいいのかもう分かんないの

前は私達、喧嘩なんてしなかったのに。

日々の煩雑に追われて、いつしか本当に大切なものが見えなくなってしまったのかな

最初からやり直させて欲しかった。今度はもう間違えないって、約束するから。