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気付けばボタボタと涙がテーブルの上に落ちていた
コーヒーが飲めない私はスンチョルに代わりに飲んでもらったんだ
そしたらスンチョルは今日は飲める気がしたけど飲めなかったって私が頼むはずだったココアをくれて。
あの頃の私はスンチョルの言葉をそのまま受け入れて、スンチョルも私と同じように普段飲まないものに挑戦したのかな、なんて思ったけど
今なら分かるよ
私がやっぱり飲めないって言うの分かってたから、わざわざ私のためにココアを頼んでくれてたんでしょ
だって最初飲み物を決めようとしてたとき全然違うやつ見てたじゃない
ホイップクリームが乗った見るからに甘そうなそれをスンチョルが頼むわけない
ささやかな優しさを今更知る
スンチョルはずっと私のことを見てくれてたのに。
漸く冷静になった頭で先程の自分の行いを後悔した
もう一度コップに口をつけるとあの頃よりも酷く苦く感じて、顔を顰めた
とても飲めたもんじゃない
テーブルに置いてコーヒーカップに両手を添えていると窓をコンコンと叩く音が聞こえた
JH「……………………」
「………………へ」
見るとそこにはムスッとした顔のジョンハンがいて、あまりの予想外に間抜けな声が出る
私が驚いているのを他所にジョンハンは入口に向かう
チリン、という音が入口から聞こえたあとジョンハンは私を見ながらズカズカと一直線で私の元まで来た
「え、な、なんでいるの？」
JH「近くのフェスに行ってた
……………それよりまた泣いてんのかよ」
ジョンハンは椅子に腰掛けるとそのまま頬杖をついて私を見る
呆れた表情
頬杖をつく仕草
苦いコーヒー
あの頃を再現してるはずなのに、こんなにも胸が痛いのは
目の前にいる人が貴方じゃないから
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作者名：環。 | 作成日時：2023年12月9日 0時
