ほとぼり。3 (ページ12)

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．

「あ！」

良いことを思い付いた私は顔のニヤけを隠すことをせず、スンチョルに顔を近付けるように座ったまま少し前傾姿勢になった

「……………えへ、ねえスンチョル〜」

SC「………………なんだよ」

なんだよ、なんて言いながらもスンチョルは私が何を言いたいか大体分かってるみたいだ

なんとなくそんな気がする

「スンチョルってコーヒー飲めるよね〜？」

SC「飲めない」

「嘘つき！飲めるじゃん！」

SC「知ってんじゃねえか」

ジト目で私を見てるけど口元は緩んでるからね

なんて言ったら今度は耳じゃなくて口元を隠すんだろうな

「ね〜え〜、スンチョル〜〜〜」

SC「はぁ……………

ほら、飲んでやるからこっちにちょうだい」

「やった！ありがとうスンチョル！」

私がコーヒーカップをスンチョルの元までズラすと、取っ手を掴み飲み始める

SC「ん」

「？くれるの？」

コーヒーを飲みながら自分が最初に頼んでいた飲み物を私の元に置く

カップの中を見るとホイップクリームの上にチョコソースがかけられていて、見るからに甘そうなそれは甘党の私を舞い上がらせた

SC「あげる。交換。」

「え〜〜！美味しそう！ありがとう！

でも珍しいねこういうの頼むの。スンチョル甘いのあんまり好きじゃないでしょ？」

SC「………今日は飲める気がした」

「あはは！何それ、人のこと言えないじゃん〜」

うるさい、なんて言ったあと耳を赤くさせそっぽ向いてコーヒーを飲むスンチョルが面白い

私が笑いながらコップに口をつけると、コーヒーの苦味を消すには充分なほどのココアの甘味が口の中に広がった