ほとぼり。2 (ページ50)

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「……私じゃないよ」

YN「本当〜？怪し〜〜

A土曜用事あるって言ってたよね？この写真撮られたの土曜らしいよ〜？」

ジト目で聞いてくるが口元はニヤけが隠せていない

思ってた以上の食い下がりに私は焦る

YN「ね、誰にも言わないから！正直！正直に！本当はこれAなの？」

「…………ち、ちが」

YN「ね〜え〜〜Aってば！」

「……………………………」

YN「え、まじ？まじなの？！」

キャー！なんて騒いでるユナを他所に私は冷や汗が止まらない

どうしよう、誤魔化さないといけないのに

どれだけ否定してもユナに詰められるし私はどうすればいいんだ

YN「まじか〜！やるじゃないA！他のメンバーとも連絡先交換したの？」

「…………………」

YN「むぅ………ずるい！私にも紹介してよ〜

…………あんたばっかり、ずるいのよ」

不貞腐れた顔を見せたユナはスマホの画面をスクロールしている

YN「にしても荒れ具合やばいね

そもそもAは人前で抱き付いたりするタイプじゃないのになんか変よこの写真。一体どこの誰か撮ったんだか」

ワンチャン、コラ画像？なんてスマホを見ながら言ったあと突然パッと顔を上げた

YN「もしかしてあいつじゃない？」

「…あいつって？」

YN「セアよ！なんかAに対して何故かすごい敵対視してたし怪しくない？」

そんなことを話していると丁度私達の側をセアが通りかかった

YN「うわ、噂をすればじゃん………ちょっとセア！」

「え、ちょ！」

YN「アンタが追っかけたんでしょ！気持ち悪いわよ！」

ズカズカとセアの元に行き喧嘩をふっかけるユナを慌てて止めに行く

セアは眉間に皺を寄せユナを見ていた

SA「なに、あんた」

そのまま視線を横にズラし私の姿を目視すると、セアはユナを無視していきなり私の腕を掴んだ

SA「ちょっとアンタこっち来なさいよ」

YN「なっ！Aを何処に連れていく気よ！」

ユナがすぐにセアの腕を払い、私の前に立つ

邪魔されたことに対して文句言うセアに負けじと言い返すユナに、セアはより一層眉間の皺を深くさせた

SA「………はあ、もういいわよ

全部全部、あんたのせい」

「……………っ」

YN「な、に、よ！！あいつ〜〜！！行こA！！…A？」

私の目をしっかりと見てセアにそう吐き捨てられた私は、その場に縫い付けられたかのように足を動かせなかった