ほとぼり。2 (ページ45)

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【社長室】と書かれた部屋の扉を数回ノックすると、中から低い声が聞こえた

［どうぞ］

SC「失礼します」

「…失礼します」

部屋に入ると椅子に腰掛けた男の人がにっこりと微笑んだ

［突然呼び出してすまないね。君がうちの子(・・・・)の彼女かな？］

強調するように言われドキリとする

マネージャーのときのように、代表にも私とスンチョルの間に境界線を引かれた気がした

「……はい」

［早速本題に入ろう

クプスからもう聞いたかもしれないが、この騒動は公言せずただ波がすぎるのを待つことになった。

これは君達の為だけど、だからと言ってまた外を出歩いたりして撮られるのは勘弁して欲しいんだ］

「……………はい」

［クプス、お前がグループのリーダーであることを忘れたんじゃないだろうな

お前がデビューしたのは、恋愛をする為か？］

戒めるようにスンチョルに向けて話す代表に、視界の隅でスンチョルが固く拳を握ったのが見えた

SC「……違います」

［一人で活動してるんじゃなくて十三人で活動してるんだ。お前一人の問題がメンバー全員の問題になる。それを忘れるな

頼むからリーダーの自覚を持ってしっかりしてくれよ］

SC「………はい、すみません」

［分かったならお前はもう練習に戻れ。少しこの子と二人で話がしたい］

SC「…え…………あ……はい」

スンチョルは心配そうな顔をして私を見る

私が大丈夫の意を込めて頷くと、スンチョルも頷いたあと部屋を出た

SC「……失礼しました」

パタンと扉が閉まる

［………さて、Aさんだったかな］

「…はい」

［単刀直入に言おう

　

　

エスクプスと別れてくれ

そしてもう金輪際、彼らにも近付かないで欲しい］