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SC『………………っ、』



電話越しにスンチョルの息を呑む音が聞こえてハッとした



「っあ、ごめ、」

SC『ごめん』

「違うの、スンチョル。そんなつもりは…」

SC『ごめん、こんな俺で』



震えた声でそう言われて、やってしまったと思った



絶対に言ったらいけない言葉だったのに

これまでの私達を否定する、無責任で最低な言葉



「っ、ごめん、なさい」


SC『…………………………事務所で、待ってるから』



次の瞬間ツー、ツー、と無機質な音が聞こえる

事務所へのマップだけがぽつりとメッセージで届いた




最低だ、私





しばらく放心したあと重い腰を上げて、お風呂に入って支度をする


スンチョルも同席するかは分からないけど直接会って謝りたかった









憂鬱なまま家から出てナビに従いながらしばらく歩いていると、ふとすぐ後ろに人の気配を感じて振り返る



「…………………?」



だけどそこには誰もおらず、私は小首を傾げた

不思議に思いながら再び歩くがやはり人の気配がする



なんとなく右に曲がると、その人も右に曲がったようで後ろから足音が聞こえた

左に曲がって、また右に曲がってとジグザグに進んでも後ろの足音と人の気配は消えない



明らかに跡をつけられてる



どうしよう、もしかしてセアちゃん?

というか何でここにいるの?私の家バレてるの?



「………………っ」



怖くなってスンチョルに電話しようと発信ボタンを押そうとして、指が止まった





(スンチョルを傷付けたくせに何でスンチョルに助けて貰おうとしてんの?)


(あまりにも虫が良すぎない?厚かましくない?)







私の中で、”私”が私を嘲笑う







ぎゅっと手を握り締めた

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作者名:環。 | 作成日時:2023年11月11日 2時

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