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周りに注意しながら帰ると、家に着いた瞬間疲れで深い溜息が出た
もっと私がしっかりしてれば、なんて今更思っても仕方ないことを考える
SNSを見ると【スンチョル熱愛】の文字がトレンド入りしていて、それをタップして見てみると当たり前だが酷い荒れ具合だった
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〈もっと隠す努力しろよ〉
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〈無理矢理抱きついたり自分の荷物押し付けたりと、この女の横暴な感じが見てとれるわ〉
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〈こんな女に付き合わされて可哀想〉
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〈この女の人実は偉い人でスンチョルは渋々従ってる説〉
↪︎@______
〈それが本当なら闇深すぎ。事務所何してんの?〉
自分で自分を追い込むような行為だと分かっているのにスクロールをする指は止まらない
ため息をついて、ふと前を見るとテーブルに置いてある鏡が目に入った
映っている自分をなんとなく見続けていると、うなじ付近の1箇所がくっきりと赤くなっていることに気付く
「…………?」
なんだろうと思いそこを指でなぞる
「…………………あ」
スンチョルだ
昨日の夜、スンチョルにキスマークを付けられたことを思い出した
結構分かりやすく残ってるな、なんて思って私はハッとした
撮られた写真の中にこのキスマーク見えてるやつないよね?
あったらどうしよう
私だけが批判されるならまだいいけどスンチョルは?
スンチョルが私にキスマークを付けたことがバレたらただじゃ済まないだろう
焦りながら急いで写真を見ると、巧妙にもギリギリキスマークは見えないようになっていて、ひとまず安心する
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作者名:環。 | 作成日時:2023年11月11日 2時