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私の予想通り実家に着く頃には機嫌が治っていて、今はドッグランでクマと楽しく走っている


私はその様子を眺めながらベンチに腰をかけ日向ぼっこをしていた



ここのドッグランも芸能人御用達で一般人はあんまり来ないらしく、騒がれたり撮られたりする心配がないからよく利用しているらしい

混雑してなくて結構空いてるから思う存分楽しめそう



しばらくすると追いかけっこが終わったのかスンチョルがこっちに来て隣に腰掛けた



SC「っは〜〜〜、疲れた!」


「お疲れさま、体力すごいね本当」


SC「Aも追いかけっこしてきたら?」


「転びそうだから遠慮しとく」



私の腰に腕を回して隙間なくピッタリくっついて座っている


元気に走り回っているクマをぼうっと見ていると、するりと手を重ねられる感覚がして思わずスンチョルの方を見た


だけどスンチョルはクマの方を見ているようだった



SC「ねえA、好きだよ」


「?私もだよスンチョル」



何で急にそんなことを言うんだろう

意図が分からなくてスンチョルをじっと見つめる


だけどスンチョルの視線は私に向けられることなく、相変わらずクマの方を見つめていた



SC「好きだから、堂々と一緒に居れないのがしんどくて。

周りに色々言われるだろうけどやっぱり俺公表したい」



重ねられた手に力が籠る


私はその手に視線をやって、またスンチョルの方に戻した



「私も、しんどいなって思うことは正直あるよ

だけど公表してスンチョルが周りに色々言われてる姿を見る方がもっと嫌



……それにもう、今更だよ」



SC「………そうだよな、ごめん」





謝らせたいわけじゃ、なかったんだけど






アイドルと一般人の恋愛は一筋縄では行かないっていうのは私達も覚悟の上だった



スンチョルがアイドルになる前から知り合って付き合ってたって言ったって、そんなのファンからすればだから何?って話

みんな私と同じようにスンチョルに恋してる。許されるわけがない






夢を与える存在というのは、責任が重い





分かってる







だけど、それでも、




どうしようもなくお互いが好きで、大切で、手放したくなくて、付き合った





「………謝らないでよ」









もう今更引き返すことなんて、出来ないのに

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作者名:環。 | 作成日時:2023年11月11日 2時

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