ほとぼり。2 (ページ29)

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カーテンの隙間から漏れ出た日差し

チュンチュン、という小鳥の囀りで目を覚ます

「……ん」

ベッドから降りようとするが体が動かない

見ると私のお腹にしっかりと回された逞しい腕

それが誰かなんて、振り返らずとも分かる

なんとか抜け出そうと身じろぎを繰り返すと後ろからもぞもぞと音がした

SC「…ん゛ん、A…？起きたの…？」

寝起きだからか少し掠れた声だ

「うん、おはよう」

SC「ん〜…おはようA…」

「朝から申し訳ないんだけどお風呂貸してくれないかな」

SC「ん〜〜〜……」

「ちょっと、変な所触らないで」

パシッとスンチョルの手を叩き落とす

油断も隙もならないな、本当

SC「怒んなよ〜…」

「今日ドッグラン行くんでしょ？早く準備しないと」

SC「分かった分かった、風呂場まで連れてくから…」

私を腕から解放しのろのろと起きる

朝が弱いのかな

スンチョルに連れられてお風呂場に向かっているとリビングにジョンハンがいた

「あ、ジョンハンおはよう

昨日はごめんね、あのまま寝ちゃって片付けできなくて…」

JH「おはようA

全然大丈夫だよ、ていうか片付けとか気にすんなよな〜」

SC「ジョンハナ、A今から風呂だから他の奴らが入らないようにして」

JH「お〜、任せろ」

ひらひらと手を振るジョンハンに手を振り返す

脱衣所に着くとスンチョルが棚からタオルを出して私に渡した

SC「新品じゃなくてごめんな。俺のタオル渡しとくよ」

「ありがとう」

SC「ドライヤーはここ。コンセントはここにさして

じゃあ俺準備しに行くから、ゆっくり入りな」

テキパキと説明し脱衣所から出たスンチョルを見届けてお風呂に入る

化粧を落とそうと鏡を見たらすでに落とされているようで、落とした覚えがないから疑問に思ったがすぐに理解した

スンチョルが私が寝てる間に落としてくれたんだろう

後でお礼を言わなきゃ

そんなことを考えながら蛇口を捻った