ほとぼり。2 (ページ25)

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「い、いたいって…」

JH「あと、ずっと前からAのことは知ってたよ

他のメンバー達にもだけど、クプスがよく話してた」

「そうなの？」

JH「うん」

パッと鼻から手を離される

だからペンサイン会のときみんな変な感じだったのか

五人で写真を撮ろうってなったときも、ミンギュが私の姿を見て言いかけてた言葉にも納得した

JH「…お前ら二人が別れの言葉もままならずに離れ離れになって、それで拗れまくったのも知ってる

紆余曲折を経て和解したかもしれないけど、それはただの和解であって解決じゃない」

話さない私に強要するわけでもなく、静かに話し出す

JH「だからAはずっと泣いて、クプスはずっと辛そうな顔をする

三年っていう期間は言葉にすると短く感じるかもしれない

でも、好きな人と好きなまま離れ離れになったと考えると長い

その三年間の空白が一朝一夕で埋まるわけがないんだよ」

私がわざわざ話さずとも、ジョンハンには最初から私の思っていたことが分かっていたのかもしれない

JH「それを無理して埋めようなんてしないでいい

お前らにはお前らのペースがある

焦るから、脈絡のない不安や自己嫌悪に苛まれる

Aがクプスを想う気持ちを無理矢理世間の”普通”に当て嵌めようともしないでいいんだよ

想う形は、人それぞれだろ」

ああ

本当に筒抜けだなぁ、私の思ってたこと

JH「お前ら二人一緒なら絶対に何でも乗り越えられるよ

この俺が保証する」

得意げに笑うジョンハンに、釣られて私も笑った

すごいな、ジョンハンは

きっとスンチョルはジョンハンに何度もこうやって励まされ、支えられてきたんだろう

ジョンハンの口から紡がれる言葉一つ一つに強い思いやりが感じ取れる

「…心配かけてごめんね」

JH「おい、こういうときはありがとうって言えよな」

「あははっ、ありがとう！」

満足そうに笑顔で頷くジョンハン

渦巻いていた負の感情がスッと晴れて胸が軽くなった