ほとぼり。2 (ページ22)

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静かに泣き続ける私を慰めるように頭を撫でていたミンギュが、不意に私の頬を両手で包み込んだ

MG「Aヌナ…」

SC「A」

ミンギュの言葉を遮るようにしてスンチョルの声が掛けられ思わず振り返る

いつの間に、と思ってスンチョルの方を見た私は固まった

SC「…何してるの？」

これまで見たことない、何とも言えない表情をしていたから

「……………スン、チョル」

正確には、口は笑ってるけど目は笑ってないと言うか。

ズカズカと私達の方に歩み寄ってきたかと思えば私の腕を掴んで引っ張り、ミンギュから私を離した

「わ、」

SC「………ミンギュは帰ってていいよ

俺の(・・)Aを一人にさせないでくれてありがとな」

私を強く抱き締めてミンギュの方を見ずにそう言ったスンチョルは今何を考えてるんだろう

見上げようにも私の後頭部を手で押さえて胸に押し付けられているため顔を上げられない

仕方なく顔を少し横にずらしてミンギュの様子を見た

MG「………っ、……………」

一瞬口を開きかけて、また閉じたミンギュは、何か言いたげな顔を見せたあと踵を返した

ミンギュが遠のいて行く足音と、スンチョルの脈打つ音だけが聞こえる

すると突然私の手首を掴んで何処かに歩み始めた

「スンチョル？何処行くの？」

引っ張られるがまま歩いているとスンチョルは近くの路地裏に入り込み、訳が分からず困惑していると私を壁側に追いやりスンチョルが壁に手をついた

「ちょ、本当になんな…」

言い終わる前に顎を掬われ唇を押し付けられる

「んっ、」

掬っていた方の手で私の項に手を添わし、すりすりと親指で耳の後ろを撫でられその感覚にぞくぞくとした

「ふ、ぁっ……んむ、」

SC「っ…………」

少し開いた唇の隙間から舌を捩じ込まれ何度も角度を変えながら深いキスをされる

足に力が入らなくなってスンチョルにしがみつくような感じになっていると、私の腰をぎゅっと支えられ自然とお互いの身体が密着した

心臓はバクバクとうるさいのに頭はふわふわする

身体は火照って力が入らない下半身が怠い

「っはぁ、すん、ちょらぁ」

SC「……………はぁっ、はっ…」

私の身体を支えながらスンチョルが口を離すと銀色の糸が二人の間を引いた

スンチョルが袖口で私の口元を拭ったあと自身の口元も拭う

会話がないまましばらく見つめ合って、私は何を言われるかと身構えていた