ほとぼり。2 (ページ20)

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．

MG「Aヌナ？」

私を呼ぶ声に、ハッとする

心配そうに私の顔を覗き込くミンギュ

その姿がスンチョルと重なって見えて、泣きたくなった

「っぁ……ごめ、」

泣いてる私なんて、気持ち悪い私なんて誰にも見て欲しくなくて、立ち上がりその場を離れようとする

SC「A？何処行くの？」

ジョンハンにべったりとくっついていたスンチョルは私が立った瞬間私を見やった

「ちょっと外の空気吸ってくる」

早口でそう言ってスンチョルの方を見向きもせず玄関に足早に向かう

SC「一人は危ないよ、俺も行…」

MG「俺が行く。スンチョリヒョンはここに居て」

SC「はあ？どういうことだよ、何でお前が行くわけ？」

JS「ちょっと二人とも落ち着いて」

後ろで言い合う声が聞こえて、何だ何だとザワザワとし始めた

私のせいだ、私のせいで、

(こういう所が独り善がりなんだよ)

じわじわと涙が出てくるのを無視して靴を履く

涙を流すのは、せめてここを出てからにしたかった

せめてもの、私の意地

玄関から出たら、ぼろぼろと涙が溢れ出始めた

私が醜いまま変われてないだけなのに、勝手に置いて行かれたような気持ちになって

どうしようもない私の我儘にスンチョルは付き合ってくれてたのに、私はそれに気付かないで

気持ち悪い

被害者ぶって泣いてる私が気持ち悪い

こんな私なんて、こんな私なんて。

ぐるぐると気持ち悪い何かが私の頭を支配する

また振り出しに戻った

こんな自分が嫌で変わりたくて、頑張って変わったつもりだった

だけどやっぱりそれは所詮”つもり”であって、根本は変わってない

［Aっ！！］

泣きながら薄暗い夜の中を独りで歩いていると後ろから私を呼ぶ声が聞こえた

反射でぴたりと足が止まる

こっちに走って近付いて来る足音が聞こえて、やがて私の隣で止まった

肩を軽く押され向かい合う形になり、私はゆっくりと顔を上げる

　

MG「A、ヌナ…」

　

　

　

来てくれたのは、スンチョルじゃなかった