ほとぼり。2 (ページ16)

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SC「ごめんA、遅くなった」

「全然大丈夫」

その日の夜スンチョルの誘いで家に泊まることになった

泊まって、次の日そのまま一緒にドッグランに行くらしい

夜迎えに行くと言われて少し遅れて来たスンチョルは開口一番に私に詫びを入れた

車のドアを開けてくれて、お礼を言いながら乗り込むとスンチョルも運転席に戻る

SC「…ごめん、怒ってる？」

バッグミラー越しに目が合ったスンチョルは眉を下げながら聞いた

「うん？怒ってないよ？」

SC「なんか元気ないから」

「あ〜〜〜……」

実は…と昨日と今日の出来事を話す

CARATがそんなことをしてると知ったら、CARATのイメージが壊れるかもしれないと思い、所々は伏せて。

スンチョルは運転しながらも相槌をずっと打ってくれた

SC「…そんなことがあったんだ」

「どうしよう、もしも何処かに閉じ込められてたり痛い目に遭わされたりしてたら…」

SC「う〜ん……

心配な気持ちは分かるけどそれはちょっと考えづらいんじゃないかな

ただ同じアイドルグループを好きになったってだけでそこまでするとは思えないよ」

そう言われ、腑に落ちた私は少し落ち着きを取り戻す

よく考えてみれば確かにそうだ

また自分が過剰に心配をしていたことに気付く

「……そうだね、ごめん考えすぎてた」

SC「それだけその子を大切に思ってるってことだろ

別に悪いことじゃないから謝る必要はない

もしも俺がAの立場で、Aがいなくなったってなったら俺間違いなく取り乱すだろうし」

対向車のライトが眩しくて、目を細める

SC「だからAも俺がいなくなったら焦ってね」

「……焦るよ、そりゃ」

そんなもしもの話、胸がザワザワする

いなくなったりなんてしないでよ

簡単にそんなことが言えるってことは、私とまた離れ離れになっても平気ってこと？

そんなことスンチョルが思ってるはずないのに。

もし本当にスンチョルが居なくなったら今度こそ私どうなるんだろう

自分のことなのに自分のことが分からないで、自分が怖くなった

急に静かになった私を不思議に思ったのか信号待ちでスンチョルが後ろを向いた

SC「………ごめん、冗談でも言うべきじゃなかった」

「別に平気。言葉の綾って分かってるから」

真に受ける、私の問題だから