ほとぼり。 (ページ48)

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SC「もうすぐ2時だ、ごめんこんな時間になっちゃって

お店出よっか」

思っていたよりも長いこと居て驚きつつも荷物をまとめ、会計を済ませ二人で店を出てタクシーに乗り込んだ

ちなみに会計するときにお金は私が、いいや俺が、なんて言い争ってたのは言わずもがなだった

結局払ったのはスンチョルだったけど

SC「あ、俺の新しい連絡先追加するからスマホ貸して」

そう言われスマホを渡すと操作しだすスンチョルを眺めながら、別に自分で出来るのになんて考える

SC「…本当、今日こうやって誤解を解くことが出来て良かったよ

周りの目を心配せずに話せたしあの店を選んで正解だった」

「…………私がお店に来るとも限らなかったんじゃ？」

口にしてから試すようなことを言ってしまったことに気付き、少し申し訳なく思っているとスンチョルが私にスマホを返しながら緩く首を横に振った

SC「ううん、来るって分かってたよ」

「どうして？」

SC「ネックレス。

サイン会で最初Aが下向いてただろ、そのときにネックレスが見えたんだよ」

二人の首元には夜の街の光に反射されてキラリとする輝き

SC「ただ単純に気に入ってつけ続けてるって可能性もあったけど…

Aの場合、気に入っててもつけるなんてことせずにただ取っておくだけにするだろうから」

不敵な笑みを浮かべて私を見つめる

なんか本当、いよいよスンチョルの思惑通りだったような

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ユナのいるホテルに着き料金を払いタクシーから降りると、何故かスンチョルはタクシーを停めさせたまま降りてくる

「どうし………」

ぎゅっと抱き締められ、突然のことに困惑しながらもスンチョルの背中に腕を回した

「どうしたの？」

SC「………来るだろうなんて思ってても不安がなかったって言ったら嘘になる

今日の事が全部俺の都合の良い夢だったらどうしようって思ったら怖くて、寂しくて、触れたくなった」

私がスンチョルに会えなくて苦しんでる間、スンチョルも私と同じように苦しんでたのかな

そうだったら嬉しいな、なんて思う私は可笑しいのかな

でも私が可笑しくなる原因がスンチョルならそれでもいいな、なんて

この感情が果たして”恋”なんて可愛い一言で片付けられるものなのかは分からないけど、今はまだ知らないフリをしよう

「夢じゃないから、私はいなくなったりしないよ」

SC「…………うん」

「大丈夫」

絡まり合っていた二人の糸は、解かれたから