ほとぼり。 (ページ43)

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「もう、最後にしよう」

実際に言葉にすると自分が思ってた以上に自分の胸に突き刺さって声が震えた

今の今になっても彼の目を見て言う勇気はない私は、視線を逸らしたまま。

SC「……え、な、なんで」

「充分すぎるほど私に振り回されていい加減疲れたでしょ

今日で全部終わらせようそしたら悩みの種が一つ消えるだろうし

それにほら、貴方に至っては出逢いなんて腐るほどあるんだからさ。そうだよ、あのモデルさんとか可愛くてすごくお似合いだと思…」

SC「ふざけんなよ」

変な焦燥感に駆られて早口で捲し立ててると、どれだけ私が酷いことを言っても怒らなかった彼が初めて怒りを滲ませた声色で私の言葉を遮った

そんな声色を聞くこと自体初めてで体が固まる

SC「俺はAになら何言われてもいいって思ってたけど、それだけはごめん流石のAでも許せない

勝手に終わらせようとして知らない女と俺をくっつけようとすんな

俺はAしか好きじゃないのに」

「……私みたいなのは貴方と釣り合わないのに一緒に居ようとする意味が分からないんだけど」

私がそう言うとより一層眉間に皺を寄せて、不快だという態度を隠す様子もなく私に鋭い視線を送った

SC「お互い好きって、その気持ちだけで充分だろ。なんで意味なんか求めるんだよ

それに今意味を見つけられなくてもこれから見つければいい

急いで結論付けしなくてもいいはずだよ」

元々お互い頑固な節があったけど、それがここで発揮されて段々とヒートアップする

SC「大体何でずっと俺のこと名前で呼んでくれないんだよ。俺の名前も呼びたくないの？」

「どう呼ぼうが関係ないでしょ

……はぁ、もういいよ、そっちがそんな意固地になって彼女作らないって言うんなら私が彼氏作る

それでもう全部終わり」

SC「どういうつもりだよ、それ

何でそんな堂々と浮気発言が俺の前でできるわけ？」

「はぁ？何言ってるの？私たち付き合ってないでしょ、別れてるじゃん」

SC「…………………A、俺、本当に怒るよ」

　

声を低くして静かに怒りを露わにする彼にすごまれる

こんな嫌な形で、知らない彼を知りたくなかったのに