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お酒を呷ったきり黙りこくってしまった私を彼は心配そうにした



SC「A……」



やめてっば

その目で見られると全部を話してしまいそうになるから好きじゃないの



そうよ、あんたみたいな男なんて好きじゃない

一度私を見捨てたくせに

私の様子がおかしいことなんて分かってたはずなのにそれをほっといた


だからもう、あんたなんて




そう思いたいのに



まだどうしようもなく彼のことが好きだ




SC「……本当にごめんな、一人にして


Aがジウ達に嫌がらせを受けてたこと俺が転校する前日に知ったんだ

すぐに気付いてやれなくてごめん」



好きなのに、素直になれない



「………一人にしてごめん?気付いてやれなくてごめん?


冗談じゃない


あんたが気付いてくれなかったから私はあの頃からずっと独りだった!

私のことちゃんと見てなかったくせにっ……


…今更になって綺麗事吐かないでよ!」



違うよ

こんなことが言いたいんじゃないのに



彼に心配かけたくなくて私が勝手に我慢してただけのくせに



今更なのはどっちだ



彼はずっと私を気にかけてくれてた

それを蔑ろにしてたのは私の方じゃん



ちがう、ちがうのに




SC「……っ、


………………………………ごめん」







そんな顔、させたいわけじゃなかったのに



涙を流した私を、彼は私が高校時代よほど辛かったから泣いてるんだと思ったのか私の顔を見てまた俯いた



そうじゃないの


傷付ける言葉を言ったのは私の方で私が泣く資格なんてないのに、思ってもないことを口にしてしまって悲しくなって涙が出たの



泣きたいのは、彼の方だろうに



こんなに酷いことを言ったのに彼は優しいからそっと遠慮がちに私に触れて涙を拭った










何してるんだよ私、早く謝れ

言わなきゃいけないこと沢山あるでしょ

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作者名:環。 | 作成日時:2023年10月25日 18時

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