ほとぼり。 (ページ36)

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一度始まったいじめは留まることを知らずに日に日にエスカレートしていった

ギリギリ耐えれてはいるものの私の変化に彼が気付かないわけがなくて

SC「………A最近どうしたの？

一緒に学校行ってくれなくなったし帰ってもくれない

それになんか表情だって暗いよ」

「ええ〜？何もないよ笑」

優しく頰に触れてこようとする彼の手をやんわりと避ける

彼に心配かけたくないのに、かけさせてしまってる

ただでさえ彼は練習で疲れてるのに

もっとちゃんと笑わなきゃ、笑わなきゃ。

私の笑った顔が好きって言ってくれたんだから、心配かけさせないように、明るくいなきゃ

笑え、笑え、笑え、笑え

ギリギリと痛む胸を無視して笑顔を繕う

SC「……本当？何かあるんだったら俺に…」

JW「Aちゃ〜ん、やっと見つけたぁ

　

こんな所にいたんだね、探したんだよ？ほら行こ？」

彼の言葉に被せるように言った彼女

友達同士だったら普通に聞こえるこの会話も

私からしたら地獄で

JW「……お前さ、まだ痛い目見ないと分かんねえの？」

悪魔が私に耳元で呟く

「ご、めんなさい……」

ギリギリ、ギリギリ

私の中の何かが削れていく

　

彼に気付かれないまま、高二を迎えた